皆さんは『PR(ピーアール)』という言葉から、
何を連想されるでしょうか?
宣伝、売り込み、自己アピール…
そんなことが浮かぶ方が多いと思います。
しかし『PR』の本来の意味は、それらとは異なります。
『PR』は、Public Relations(パブリック・リレーションズ)を略したもので、
企業や団体などの「組織」が、その組織を取り巻く様々な人々(ステークホルダー)と
継続的に信頼関係を築いていくための考え方や行動のあり方を指します。
(参照: 日本パブリックリレーションズ協会WEBサイト)
例えば、情報公開や社会貢献活動、
安全・環境への配慮や法令順守の取り組み、
といったこともPR活動に含まれています。
ところで先日、またもや異物混入騒動が起きました。
国内生産の即席麺にゴキブリが混入していたことが
購入者のTwitterでのつぶやきから発覚し、
メーカーが商品の自主回収・販売中止・生産中止するに至った
という事件です。
健康被害が無かったのは不幸中の幸いでしたが、
メーカーに取っては、かなり大きな損害ですね。
(自主回収費用を補償するリコール保険にも入っていなかったそうです)
異物混入を許してしまった生産工場での安全・衛生管理の不備は
勿論、早期に改善されなければいけません。
しかし、報道によると「初動の対応を誤った」という指摘もされており、
同社の危機管理意識の低さも、
事態をさらに悪化させる原因となってしまったようです。
日頃から、消費者の声に耳を傾け、改善努力をしていれば…
消費者とのコミュニケーションの取り方を意識していれば…
万一の事故に備え、(消費者目線で)対応手順を考えておけば…
社会や消費者に対し、メーカーとして誠実に・迅速に、正しい情報を提供する
「責任意識」を持っていれば…
つまり、本来の意味でのPR活動ができていれば、
被害・損害を最小限に抑えることができ、
早期の信頼回復も可能であったかと思います。
企業は、どうしても「売ること」に注力してしまいがちですが、
その存続は、ステークホルダーとの信頼関係あってのことです。
最近は、SNSの拡がり等もあり、情報発信の仕方や
ステークホルダーとのコミュニケーションの取り方にも
より一層の工夫と注意が必要な時代となりました。
しかし、お互いが発展し信頼関係を築けるよう、
『本来のPR』を意識して活動を進めていけば、
大きな間違いには、繋がらないだろうと思います。
繰り返し報じられる異物混入騒動。
皆さんは、いつもどんな思いでご覧になっていますか?