雨の日を愉しむ

先日、平日の昼間に、
岡崎公園の桜まつりを駆け足で巡りました。
巨大花見団子を買った日です(笑)。

いつもであれば、
混雑で駐車場に入るのにもひと苦労なため敬遠するところ。
しかし、この日は雨天。
それならば、人出も少なかろうと
近くに用があったこともあり立ち寄ったのです。
予想通り、駐車場へは待たずに入場できたし、
人出も少な目で混雑のストレスはゼロ。

「判断力、冴えてるわ~」

ひそかに自画自賛していた私ですが、
やはり、傘を差しながら、
写真を撮ったり屋台で買い物するのは、
ずいぶんと煩わしいものでした。
濡れた石段で転倒しかけヒヤっとする場面もあり。
それでも「せっかくだから」と
桜のある風景を写真におさめようと
スマホの画面をのぞいてみたものの、
そこには満足のいく風景は映りません。

一方、SNSのタイムラインには、
晴天下の鮮やかな桜を捉えた
他人の写真の数々が流れていきます。

「私の目の前の風景とは、随分違うなぁ」

ああ、なぜ自分はよりによって、
こんな曇天の下で桜をみようとしたのか。

お天気が悪いと、
考えることまで鬱々とするものです。
さらに普段思いつかないような方向に
思考と感情は進んでいきました。

「自分で選んだ行動だけれど。
 もしかして、この小さな選択は、
 ”愚か” ”無駄” ”浅慮”
 そんな類のものなのかも」

桜は、桜としてそこに在るままなのに。

周囲の環境や観る人の心の状態によって、
その目の前にある美しさや本質が
伝わらないことがあります。
おかしなものですよね。

さてこの日は、ただただ雨のせいで、
そんなモードに陥ってしまった私でしたが、
屋台で団子とタコヤキを買った帰り途。
ふと目にした光景に、すうっと心が安らぎました。

お濠端の桜から散った花びらと、
雨が落ちて広がる水紋の輪。
雨音、雨の日の匂い…。

すべて、雨の日だからこそみえるもの、聴こえる音、感じられることばかりです。

なぜこんなにも降り続くのかと思っていた雨は、
あとで振り返れば必要な「慈雨」だったということもある。
それが頭ではわかっていても、
雨の日は愉しむ気分になれないことが多いですけどね…。

さて、時々こんなジメ~ッとする私だからこそ、
雨続きの方に、少しは寄り添えることがあるかもしれません。
そこのずぶ濡れの社長!
あとでいいネタになりまっせ。きっと。
一緒に雨を愉しみましょう。


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