日本では、「販売」「営業」「接客」といった仕事に苦手意識やマイナスイメージを持つ人は多く、小売業に就職したいという若者はあまりいないようです。
私の身近でも、就活を控えた大学生や転職を考えている20代の社会人がいますが、販売職や営業職はどう?と聞くと「自分はそういうの向いていない!絶対無理!」と、苦手意識どころか拒否反応を示します。
先月、とあるイベントで横浜商科大学商学部の小林二三夫教授の講演を聴く機会がありました。
なんと、商学部の門をたたいた小林教授の教え子たちですら、入学当初は、販売職や営業職に良いイメージを持っていない生徒がほとんどで、将来小売業へ就職したいという人も少ないのだとか。
小林先生のもとで学んでいくうちに販売職の魅力に気づき、最終的には、小売・流通業界への就職を希望する人はかなり増えるそうですが、
一般的には、その「魅力」や「自分の適性を活かせるかもしれないこと」に気付かぬまま、敬遠している人がほとんどでしょう。
ところが、目を米国に転ずれば…
販売職や営業職を希望する若者はとても多く、
就職先として小売業は人気ダントツ!なんだとか…。
なんでしょうね、この違い。国民性?
いいえ、そうではないようです。
小林教授によると、
米国では、小売業の具体的な事例や職場について学ぶプログラムが充実しており、高校生から学ぶ機会があるのだとか。
◎興味深い事例満載の体系化されたテキスト
◎ビジュアルでわかりやすく学べるスライド教材や動画教材
これらに、実際の企業での実習や見学なども加わった充実の教育プログラムを受けることによって
◎小売業というものがどういうものなのか
◎そこで働くと何が得られるのか(やりがい、収入、ビジネススキル等)
◎どのようなキャリアパスが描けるのか、を、
生徒たちは、具体的にイメージできるようになるというわけです。
この将来の仕事が楽しくなりそうなプログラム&教材の存在。
教える側にせよ、教えられる側にせよ、羨ましいですよね。
小林教授もかねてから、
日本でも米国のような充実した教材ができないものかとお考えだったとか。
そこで多くの小売・流通業界の先達のご協力を得ながら刊行されたのがこちらの一冊。
ようこそ小売業の世界へ
(小林 二三夫、 伊藤 裕久 著 出版者:商業界)
ご興味のある方は、ぜひ読んでみてください!
業界の大物のコラムも満載で面白いですよ。
商業に携わる方々の必読書。実務書なんです。
ところで、この本なんですが、
私は今特に、小売や飲食やサービス業で人材不足にお悩みの採用担当の方に、おすすめしたいのです。
「給与・待遇面など、これまでより好条件を提示しているにも関わらず必要な人員が集まらない」
それは、少子化のせいばかりではなくて、その職場や職種自体に魅力を感じてもらえていないからだと思うから、
魅力を伝える参考になると思うからです。
また、同業種の人材育成担当の方には、
同書に加えひとつお勧めしたいことがあります。
それは人材育成プログラムに
『販売士(リテールマーケティング)検定』の学習を取り入れることです。
従業員の皆さんは、販売士の学習を通じ、
◎自分のいる業界の社会での役割・位置付けや仕組みがわかり、
◎自分のしている仕事の役割・位置付けがわかるり、
◎日々の仕事を「やる意味」がわかるようになる。
その結果、仕事にやりがいをもって愉しく取り組めるので、
どんどん成長されます。
これ、本当なんです!
実は先日も、
販売士3級の学習に励まれ見事合格を掴み取った
某商業施設のテナント従業員さんたちから
嬉しいご感想の声が届きました。
(驚異の合格率でした!)
「日々の業務を見直すことができた」
「普段何気なくやっている業務の意味や役割を知ることができ、後輩に仕事を教える時にうまく伝えられるようになった」
「知らなかった知識も身につけられ自信がつき今まで以上に販売の仕事が楽しくなった」
「2級にも挑戦してもっと学び仕事に活かしたい」
皆さんのご感想を目にし、
【販売士】って、合格して履歴書に書けるだけの資格じゃないことを、あらためて実感。
ビジネススキルと仕事への意欲を上げられちゃうんですよね。
詳しくは、また私が所属する東海販売士協会のホームページなどで紹介される予定です。
どうぞお楽しみに!