テレアポ・クイーン誕生

自宅の固定電話に掛かってくる電話といえば、
いまや9割方セールスの電話です。

tel

昨日も2件ほどかかってきました。
1件目は、元気のいいおばちゃん

「北海道の産直市場からなんですけどねぇ~!
 以前、お買い上げいただいた方の伝票をみて
 お電話差上げてるんですよー!
 そのせつは、ほんとーにっ!
 お買い上げありがうございました」

まあ、カラっと明るく気さくな風で
感じは悪くないのですが、
お買い上げした記憶がないので
「今から出掛けますので」といって
さっさと電話を切らせて頂きました。

2件目は、あろうことか
さあこれから仕事に取り掛かるぞっ!
というタイミングでかかってきました。

「おいそがしいところすみません」

案の定、セールスのようです。

(お~い!そう思うのならかけてくんな~)

「お子さんの成績が1.5倍上がったと
 評判の家庭教師サービスがこのたび
 画期的なお値段でご提供できるようになりました。
 今日はそのご案内でお電話を差し上げました」

ここ数年、あちこちから何度となく
勧誘のあった家庭教師セールスです。

いつもならば、「うち、子どもなんて居ません」
もしくは、「ママは出かけてます」といって
受話器を置くのですが、
今日は、話を聞いてしまいました。
それはなぜかというと…。

電話をしてきたお姉さんの
「声の感じ」や「話の間の取り方」が、
素晴らしかったからです!
文言は定型で用意されたものに違いないのに、
なぜでしょう。
聞いてもいいかな?という魅力に溢れた話し方。
そして、「受話器の向こうに笑顔がみえる」
まさに、そんな感じの明るくて初々しい声。

なにはともあれ、
私がこれまで受けてきた勧誘電話史上(?)最高の
“テレアポ・クイーン”といってよいほどの
仕上がりっぷりだったのです。
(録音しておけばよかったなぁ)

感動のあまり、思わず先方の話を遮って
こちらから質問してしまいました。

「失礼ですが、あなたのお名前は?」

「え!?あ、ハイ! シバタと申します」

「いやぁ、これまでで一番感じの良い
 お電話だったもんだから感心しちゃって、お名前聞いちゃいました。」

「あ、ありがとうございます!
 周りからは年の割に老けた話し方なんていわれるんですが」

「いやぁ~、ほんとにお声も話し方も素晴らしいですよ。
 ちなみにシバタさんは大学生さんなの?」

「は、ハイ!大学生で普段は家庭教師をやっていますが
 家庭教師の入ってない日は、こうしてお電話を…」

本当は、他にもいろいろ聞きたいことはありました。

◎どこの大学に通っていて、
◎卒業後はどんな職業につきたいのか、
◎どうやってその話術を身につけたのか、
◎運動部出身?もしかして演劇部出身?
◎アナウンサー志望で何かトレーニング中? 等々…

しかしこれ以上、
シバタさんのバイトの邪魔をするのはどうかと
ハッと気づき、やめておきました。
(おっと!自分も仕事…するんだった)

「まあ取りあえず、
 うちは家庭教師要らないんだけど、
 あなたのテレアポは数ある中でもナンバー1でした。
 これからも頑張ってくださいね!」

名残惜しい気持ちを押さえ、
そういって私は受話器を置きました。

あちらのテレアポ・リストには、
どんなメモが残されたことか…
二度とシバタさんから掛かってこないかも…
家庭教師以外の私が買いそうな商品の
テレアポにバイトを切替てくれぬものか…

今頃になって気になっております。


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