心配なんですけど

先日、ショッピングセンターのフードコートで食事をしていましたら、
こんな光景に出くわしました。

超満員のフードコートで、タイミングよく私の隣の席が空き、
それを見つけた3人組の若い女性たちが、すかさずその席を確保しました。
そして順番に食事を注文しにいくのかと思っていたら、
机の上に何かを置いてみな同時に席を立ったのです。
よく見てみるとそれは何と2機のスマートフォン!

abunai

「えー!?よりによってスマホを? ぬ、盗まれたらどうすんだ!」

私は、他人事ながら心配でなりません。
何の義理もないのですが、彼女たちが注文を終えて帰ってくるまで、
スマートフォンが誰かに盗まれたりしないように、
しばし監視の目を光らせることになってしまいました。
そもそも無くなったら私が最初に疑われかねない、
そんな心配もありました。

そんなことを知ってから知らずか、
席に戻ってきた3人。
スマホを手に、楽しそうにはしゃいでいます。
監視を頼まれたわけではないけど、
私はなんだか虚しい気分…。

さてその日は、名古屋での用事を済ませて、
帰りは岡崎まで夜10時台の電車で帰ったのですが、
ここでも心配せずにはいられない場面に遭遇してしまいました。

名古屋で乗車した時点で、電車の席は満席。
私を含め立ち乗り乗車の人も多かったのですが、
私の隣、入口ドアのすぐ脇にも高校生ぐらいの男の子が一人、
座席にもたれ掛かかって立っていました。

列車が名古屋を出て、一駅目の金山を過ぎたあたりで、
男の子の立っている方から「ドスッ!」いう音がしたので、
横に目をやると、さっきまでそこにいたはずの彼が居ません。
びっくりして、周りを見てみると、
足元に男の子が足をM字に開脚して座りこんでいるではありませんか!
しかも、左手にはスマホ、右手の人差し指はスマホ画面をタッチしたままで!

「貧血か!? 大丈夫!? 車掌さん呼んだ方がよい?」
そう思ってもう少し近づいてみてみると…
なんと…
・・・
すやすや寝ていました…
よっぽど眠かったのか、まさに『寝落ち』していたのです。

neruneko
※こんなにカワイイもんでは、無かったですけど…

とりあえず命に別状はなさそうなので、ホッとしましたが、
あまりに熟睡していて目覚めそうにないので、
今度は別のことが心配になってきました。

「この子どこで降りなきゃいけないんだろう、このままだと静岡方面まで乗り過ごしてしまうんでは…」

おうちの方も、どれだけ心配して帰りを待っていることか。

そんな風に知らぬおばさんに思われているとは、つゆ知らず、
彼はすやすやと眠り続けます。
彼の反対側に立っていた酔っ払って赤ら顔の中年男性も、
真顔になって私と同様に心配している様子。
ちらちらと男の子に目をやりを気遣っていました。

そうして列車は、間もなく刈谷駅に到着-
意を決して私は「もしもし」と彼に声を掛けました。全く反応なし。
肩を軽くトントンしても駄目なので、
今度は膝をピタピタはたいてみました。
するとようやく立ち上がり、寝ぼけ顔で周囲をぐるっと見回します。
ここはどこ?私はだれ?…の状態です。

「いま刈谷に着いたけど、あなた降りなくて大丈夫?」
そう声を掛けると、
「あ、だいじょぶっす」というなり、
今度は閉まったばかりの入口ドア中央にもたれ掛かり、
直立不動状態で熟睡してしまいました。

abunai

今度は、また別のことが心配になってきました。

「次の駅でドアがあいたらホームにぶっ倒れてしまうんじゃ…」
「結局、どの駅で降りるんだ」

赤ら顔のおじさんも気に掛けているようす。

暫くすると、先ほどの駅で乗車してきた一人の初老の小っちゃいおじさんが、
何故だか知らないけれど、少しずつ熟睡する彼に近づいていきます。
このジャンバー姿で角刈りのおじさん、結構眼光が鋭く、
目玉だけをすばやく動かして周囲の様子を窺っているようにも見えました。

abunai

「まさか…スリのプロ…なんじゃ?」

そんなことを思うと心配で、益々彼から目が離せません。

そうして私がヒヤヒヤしているうちに、
列車は、次の安城駅に到着ー

この駅で、かなりの乗客がいっきに降りていき、
気づけば私は件の彼を見失っていました。

「なんだかんだで、目を覚まして降りれたのだろう」

ホッとして車内に目を移した私は、
次の瞬間、驚愕してしまいました。

なんと、空いた座席にちゃっかりあの彼が座っているではありませんか!
そしてすでに寝てるしっ!
赤ら顔のおじさんも、私も、座れなかったのに。
そういう時だけ、動きが速いってどういうことか!?
もう、何がなんだかよくわかりませんでした…。

よく「日本人は平和ボケして隙だらけだ」なんて話を耳にしますが、
心底納得した一日でした。
いや、私も相手が(おそらく)子供とはいえ
知らない男性に声をかけるなんて、
無防備極まりないことだったのかも。
その他、はたからみればヒヤヒヤするような危険な行動を
普段していることってあるのかも…
「人のふり見て」といいますが、改めて用心したいと思いました。


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