BCPといったら大袈裟か

経営者の皆様ならおそらく「BCP」という言葉をご存知かと思います。
詳しくは知らなくとも、東日本大震災以降よく耳にするようになったのではないでしょうか?

BCP(事業継続計画)とは

 BCP(事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。

 緊急事態は突然発生します。有効な手を打つことがきでなければ、特に中小企業は、経営基盤の脆弱なため、廃業に追い込まれるおそれがあります。また、事業を縮小し従業員を解雇しなければならない状況も考えられます。

 緊急時に倒産や事業縮小を余儀なくされないためには、平常時からBCPを周到に準備しておき、緊急時に事業の継続・早期復旧を図ることが重要となります。こうした企業は、顧客の信用を維持し、市場関係者から高い評価を受けることとなり、株主にとって企業価値の維持・向上につながるのです。

<中小企業庁HPより抜粋引用>

「ある程度の規模の事業所や工場なら必要だろうけど、小規模・零細では「事業継続計画」なんて大袈裟な準備をしなくてもー」
もしかしたら、そんな風に感じている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、”緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく”ことは、どんな事業所においても全く大袈裟なことではないと私は思います。

緊急事態とは、何も大災害の時だけ遭遇するものでもありません。
例えば、比較的身近でよく遭遇する「停電」というのがあります。
何も長時間の大停電に限ったことではなく、ほんの数分または一瞬の停電が起こったとしても、タイミングが悪ければパソコン等に保存してあったデータを失ったりパソコン自体が故障することもあります。
また、通信機器の設定がおかしくなり、メールもネットも使用不可の状態に陥って業務に支障をきたす、といった事態に向き合うことになるかもしれません。

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もちろん、データはバックアップがあれば、パソコンは買い直せば、設定もやり直せば済むことではあります。
しかし、実際にそうなったときに、誰がそれを担当し、復旧までの時間はどれぐらいかかるでしょうか?
「半日…時間がかかったとしても1日あればなんとかなるだろう」
そう思われた方。
もしもその半日、1日が、請求書発行の日だったら…
取引先への提出期限直前の重要資料を出力している最中だったら…
全く支障は無いといえるでしょうか?

実は、私自身も過去に勤務していた会社で、
停電で冷や汗をかいたことが何度かありました。
停電に備え、データは外付けストレージにバックアップを取っており、
UPS(無停電電源装置)も導入していたのですが、
いつのまにかそのストレージも、UPSも故障していたという…
万一のために備える機器にも、耐久性の差や寿命・故障はあるのです。

もしかしたら、不安をあおっているかのように思われるかもしれません。
でも、これが現実。
緊急事態を想定して、備えと対応策を考えておかれることをお勧めします。
BCPといったら大袈裟かもしれませんが、
例えば、先に挙げた停電への備えとして
・事業に支障がでないように予めどんな備えができるか検討し、平時より準備する。
・緊急時に、誰が誰に(何処に)どのような手段で連絡を取るか決めておく。
・まず最低限対処しなければならないことを決めておく。
これだけでも、やるとやらないとでは違うと思いますよ。


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