マネーロンダリングは商売になるか

先日、銀行の窓口で手続きをしていたら、
息をきらしながら行内に駆け込んできた中年女性が、
ちょうど私の隣の窓口に来て、
「ちょっとお尋ねしたいことが」と行員さんに尋ねました。

私は、何事かと思いながら様子を窺っていたのですが、
横から漏れ聞こえる話を聞いてみると、
どうやら彼女の用件は、次のようなものでした。
「イベントで大量に5円玉硬貨を使うので、きれいな5円玉に替えてもらいたい」
5yen

(4,5本ぐらいなら新しい硬貨に替えてもらえる?
 御祝い金として使いたいとき確かお札はピン札に替えてもらえたしなぁ)

私は、そんな風に見当をつけながら聞いていましたが、
予想に反し行員さんの答えは、
「申し訳ございません。できません」というものでした。
女性は、少しがっかりしながら行員さんに御礼をいい、
足早に銀行から立ち去っていきました。

私も後から少し調べてみましたが、
ほとんどの銀行で、50枚以上の円貨両替には手数料が必要です。
さらに「きれいな硬貨に両替」については、
なかなか対応してもらえないようです。
銀行に保管されている現金自体も数が限られているようですから、
当然といえば当然ですね。

では、日本銀行なら?確か破損したお札なんかは、交換してくれるはず。
しかし、こちらもWEBサイトで見る限りでは、
「きれいな硬貨に両替」するサービスは見つかりませんでした。

ではでは、お金を作っている造幣局ならばどうか。
プルーフ硬貨(きれいに加工・箱入れされた硬貨セット)は、
販売されていましたが、新硬貨へ両替はできそうにありません。
↓ところで、造幣局にオンラインショップがあるの、ご存知でしたか?
zouheios

さて、「きれいな硬貨に両替してほしい」。
そんなニーズに応えるサービスが世の中に無いのならば、
新たに「硬貨のクリーニングサービス」なんて商売も浮かんできます。
または「新品貨幣に両替するサービス」。
これがほんとの「マネーロンダリング(資金洗浄)」!
本来使われている意味は異なります。
勿論この場合、法規制のことや市場規模(ものすごく小さそう)等々を
考えると実現・成功は難しい商売だと思います。

ところで、「大量にきれいな5円玉を要するイベント」って…
建前(上棟式)か何か?それとも新春開運5円玉掴みどり大会とか?でしょうか?
しかし何にせよ、「こういうニーズもあるんだなぁ」と興味深く感じました。
世の中には、普段自分では思いもしないニーズが沢山転がっているんですね。


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