先日、お伊勢さんに行ってまいりました。
内宮の参道は、いつ来ても大賑わいです。
さて、昼食がまだだったので、
『伊勢うどん』を食べようと思い、
参道のお店を順にのぞいて行きました。
まず、ガイドブックでよく見かけるお店。
店の扉を開けるまでもなく、
順番待ちの列ができているのがすぐわかりました。
ここで、前回の時は時間が無くて早くうどんにありつきたかったので、
行列の無い店で食べたことを思い出しました。
あまり聞いたことのない店でしたが、
美味しいばかりか接客もよくて
大変満足した記憶が蘇ります。
(よし、今日も有名店は避けて空いている店に入ろう)
そう心に決めて、空いていそうな店を探すことにしました。
2店目の扉を開けると、ちょうど先客1組が店を出るところでしたので、
「この席、よろしいですか?」
と店員さんに声を掛けましたが、
「順番の早い方からどうぞ~!」という返事。
そういわれても、店内にも扉の外にも先に待っていた風な人は見当たりません。
戸惑っていると、後からきた老夫婦がさっさと空き席に座ってしまいました。
どこかに順番待ちの名簿が置かれているのかと思い、
入口を出たり入ったりして確認しましたが、それらしいものは見当たりません。
「どこに名前を書いておけばよいですか?」と尋ねますと、
「書くところはありません。順番の早い方からどうぞ。次はどなたですか?」
と聞き返されてしまいました。う~ん…。
さらに戸惑っていると、あとから来た若者グループに、
「どちらが早いかといわれれば、僕たちの方が早く待っていた」
と断言されてしまう始末。
(私が名簿探しに店外へ出ている時に入ってきた人たちでした)
つまり、このお店は順番待ちするお客様を管理する仕組みもその担当も、
特に決めてないようなのでした。
「こりゃだめだ」と諦めて、次の店へと足を向けましたが、
なんと3店目もこんな感じ。
4店目にして、やっと順番を待たずに伊勢うどんにありつけました。
食べながらこんなことを考えていたので、味はよく覚えていません。
(客の順番を管理しないのは、もしや伊勢のお店では常識?)
(慢性的な人手不足で、配膳するのが精一杯なのかも)
(これだけの人気観光地。多少客が嫌な思いをして他所へ流れても、
いくらでも次のお客さんが来るから平気と思っているのかも)
さて、集客に困らないような恵まれたお店はさておき、
大半のお店は、地道な営業努力を積み重ねたり
コストを掛けて販促したりして、
集客に励んでいらっしゃることでしょう。
しかし、あらかじめ混雑時を想定して
お客様に不快な思いをさせない順番待ちのルールや
おもてなしの工夫を考えている方は意外と少ないのでは?
最近では、思いもかけずSNSやメディア等で紹介されたことをきっかけに、
自店の通常キャパを超えるお客様が急遽来店されるといったこともおきやすいです。
新しいお客様との出会いを無駄にしないという意味でも、
既存のお客様の足を遠退かせないように、という意味でも、
「行列ができるほどお客様が殺到したら…」
という嬉しい状況を想定しておくのは、必要なことだと思います。