昼休みに、何気なくTVをつけてみたら、
あるエステサロン運営会社の名物社長が辞任した、
というニュースが流れていました。
「へぇ~、少し前にパワハラで訴えられていたあの会社の…」
と思い続きを聞いていると、
アナウンサーは以下のような情報を話していました。
・パワハラ、マタハラ等で社員から訴えを起こされたが、
現在はすべて和解が成立。
・元社長は会長に退き、新社長が就任した。
・元社長は美容家としての活動に専念する予定。
この情報から私は、瞬時に勝手な妄想を膨らましました。
「なるほど~、元社長はきっと色々と反省して
経営の一線からは退き、改めて美容家としての本分を見直そうと、
考えたのかなぁ」
ところが、その後、ネット上で
同じ件について報じられた情報を見てみると、
次のようなことが書かれているではありませんか。
・社長を辞任して会長になったといっても
「代表取締役社長」から「代表取締役会長」になっただけ。
新社長は代表権のない「取締役社長」。
つまり代表権は依然として元社長にある。
・同社の総務部もメディアの取材に対し、
今回の社長辞任は、昨年のパワハラ、マタハラ騒動の引責という
意味合いはないといっている。
私が想像した「退任劇」とは、随分様子が異なるようでした。
同じ件について、今後、雑誌など別のメディアで報じられたものを見れば、
また違った受け止め方になる可能性大です。
メディアの種類も増え、情報量も豊富な時代ではありますが、
正しい情報を見極めたり、情報から実のところを推測するのは、
とても難しいことであるのには今も昔も変わりがありませんね。
今回は、たまたま同じ件を扱った複数のメディアの情報に触れたことで、
「本当のところはどうなんだろう?」と立ち止って考えることができましたが、
いつも1つのメディアからしか情報を得ていない場合は、
あまり考えることなく、情報を鵜呑みにし勝手な自己解釈をしてしまいがちです。
特に、ネット上の情報については、その不確かな情報や解釈を
自ら「シェア」して「拡散」することも容易ですから、
より注意が必要だと思います(そういう私も失敗経験あり...です)。
では、私たちは、どうしたら正しい情報を見極め、
情報から実のところを推測できるのでしょうか?
少なくとも、デマや誤解を自ら拡散することは避けたいですよね。
例えば、次のようなことを心掛けてみるのはどうでしょう?
1.情報は、複数のメディアでチェックする
2.一歩立ち止まって情報を吟味する
3.複数の生身の人間と情報や意見を交換する
3.なんて、なかなか有効だと思います。
立場や世代、文化や価値観等が異なる人と
情報や意見交換ができれば、なお良さそうです。
例えば、昔はTVを見る時に、
茶の間であーでもないこーでもないと、
皆それぞれがチャチャをいれながら見ていた家庭も多いと思います。
人生経験豊富なお年寄りの一言や、
子供たちが放つ素朴な問い等に、
ハッとすることもあったと思います。
さて...
以上の情報、皆さんはどう受け止められたでしょうか?