レンタル選手

国交を断絶していたアメリカとキューバが、
半世紀以上ぶりに首脳会談を行ったというニュース。
隣国と敵対を続けるよりも、
多少の違いはうけとめて関係修復に向かったほうが、
お互いの利益になるのだろうなぁとは思うものの
身近にキューバーという国を感じたことがないため、
どうもピンとこないというのが正直な感想です。

私が、キューバで連想するのは、

gebara

●チェ・ゲバラの肖像がプリントされたTシャツ
(日本でも一時期流行りましたね)

●葉巻を加えた(フィデル)カストロ議長の図

●野球やバレーボールが強い

こんなところ。

特に「野球」は印象が強いです。
アメリカのメジャーリーグは勿論、
日本のプロ野球でも、キューバから亡命した選手が
活躍している姿が見られますよね。

ところで、外国で活躍するキューバ出身選手って、
最近では「亡命してきた選手」ばかりではないってご存知でしたか?
キューバ政府が仲介者となって、
国外にレンタル移籍されている選手もいるのだそうです。
社会主義国キューバの選手たちはみな公務員として、
外国に派遣されるというわけです。
これまでのように、選手が亡命により国外でプレーするよりも、
キューバ政府・選手本人の双方にとってメリットが大きいようです。

●選手は、危険を冒して亡命するリスクや、
 亡命成功により母国に残してきた家族や親しい人たちと生き別れになる
 といったデメリットを回避できる。
 レンタル移籍ならば、その心配はない上、政府公認の上で報酬を得られる。
 また、国際大会では、自国代表として出場することが可能。

●政府は、自国の優秀な人材が国外に流出してしまうことを防止でき、
 仲介手数料で外貨を稼ぐことができる。

但し、選手は、キューバ国内リーグでの試合への参加が優先で、
スケジュールの合う期間のみ国外でプレーするということですから、
身体的な負担は大きいかもしれません。

さて、規模や形態は全く異なりますが、
日本の「会社」と「社員の副業」についても、
私は、少し共通するところを感じました。

しっかりとした副業禁止規定のある会社もあれば、
最近では、社員の副業を認める会社も増えているそうです。

勿論、本業と競合したり、本業を損ねるようなことで副業あれば、
禁止されて当然で、双方にデメリットしか生みませんが、
それ以外の場合は、認めてしまったほうが、
キューバ政府と選手のように
双方にメリットが多いのではないでしょうか。

●社員は、副業により自分のやりたいことを実現できたり、
副収入を得たりすることができ、より豊かで充実した人生を送ることができる。

●会社は、社員に他にやりたい仕事が見つかった場合、
副業禁止により社員がやむなく退職してしまうといったことを防ぐことができる。
また、副業を通じて社員は社外の人脈を得たり、
視野が広がる、新しいスキルを身につけるといった可能性もある。
つまり、本業でもより有能な人材として活躍してくれるかもしれない。

ケース・バイ・ケースかもしれませんが、
国でも会社でも、これからは「拒絶、禁止、規制」といったことだけでは、
あまりいい方向に向かわないのではないかと、ふと思った次第です。


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