アンダードッグ効果

今年の大河ドラマ「花燃ゆ」の影響で、
幕末の偉人 吉田松陰に改めて注目が集まっています。

信念を貫き、周囲から見れば狂気の沙汰とも思われる挑戦を次々と実行に移した生涯は、確かに注目せずには居られませんね。
安政の大獄で斬首されたのは松陰先生30才の時といいいますから、なんと濃い人生を送った方かと驚かされます。
一方、もしこのような非業の死を遂げていなければ、歴史上の人物としてこれ程までに評価されただろうかという声もあるようです。
松下村塾の門下生を始め、その後世への影響力を考えると凄い人物だったことに変わりはないと私は思いますが、注目度・人気度という点では、若干の「判官贔屓」はあるかも知れませんね。

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この「判官贔屓」というのは、源義経しかり、敗者や弱い立場にある人(またはあった人)をついつい贔屓目に見てしまうという心理的効果ですが、心理学では「アンダードッグ効果」ともいわれます。

例えば、次のようなことも「アンダードッグ効果」でしょう。

・スポーツや選挙などで、ちょっと劣勢な方を確たる根拠もなく応援してしまう
・何をやってもダメダメな男性につい情を寄せてしまう
・「私、何にもできな~い」なんてのたまう女性を守ってあげたいと思ってしまう
・出来の悪い子ほど、なんだかかわいく感じてしまう
・失敗ばかりしている人を、応援したくなる

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この「アンダードッグ効果」、ビジネスにも活用できるといわれています。

確かに、
イケイケで非の打ちどころのない雰囲気の営業マンよりも、
つたなくも懸命に仕事に取り組む営業マンの話の方が、
親身に話を聞いてあげたくなったりするのものです。

また、組織の中においても完璧な上司やリーダーよりも、
多少駄目なところはあるけれどチームのために地道にがんばってくれている人のほうに、
引きつけられることって、あるのではないでしょうか。

あからさまに自分の(または自社の)真の姿を偽ってこの効果を活用しようというのは少々あざとすぎますが、
実際に「他者と比べて自分は強みが少ない。劣勢だ」と感じている人(または会社)は
継続して研鑽努力し、その姿勢を前面に出してゆくことで
世間を味方につけ・優勢を得られるかもしれませんね。


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