たかが3兆円

先日ソフトバンクグループが発表した
「半導体チップ設計の大手企業ARM(アーム)を買収する」というニュース。

私は、その買収額にまず目を引かれました。
なんと約3兆3000億円(240億ポンド)です!
さんちょうえん…!!
孫社長曰く「10年前から欲しかった」そうです…わ…。
皆さんは、このニュースをどう受けとめられましたか?

arm-son

大手IT企業のビッグな買収話。
自分のビジネスとは規模も違うし、
うちはIT関連の業種ではないから関係なさそうだ、
経営者の方でもそう考える人は多いかもしれません。

しかし、今回のニュースは、
ちょっと押さえておいたほうがよいと思います。

なぜなら、規模や業種業界に関わらず・公私を問わず誰もが今後影響を受けるであろう、
【IoT(モノのインターネット)】に関する話だからです。

→IoTって何?という方はこちらの記事をご参照ください。

現在、多くのモバイル製品がARM社設計のチップを採用しており、
世界中のスマートフォンの9割強がARM社設計チップを搭載しているとのこと。
今後、ネットワークにつながるモノの頭脳ともいえるCPUについても、ARM社製のものが大多数を占める可能性が高いと見込まれています。
そのARM社をIoTの取り組みに積極的なソフトバンクが巨額を投じて買収するということは、今後のIoT市場で日本企業であるソフトバンクが主導権を握る可能性が高まったといえるでしょう。

孫社長は「たかが3兆円といったら怒られるかもしれないが…」と、発言していたそうですが、
確かに先を考えると安い買物なのかも知れません。

「へぇ~。ふ、ふ~ん…」と思いました?(笑)

中小企業や小規模事業者の皆さんにとっては、
やっぱり規模が大きすぎて
自社の事業とは縁遠い話と感じられると思います。

でも、少しずつIoTは身近なところに近づきつつあるんですよ。

例えば、今月オムロン社から発表された「環境センサー」もその一つ。

-IoTによる新たなソリューションビジネスを創出-
温度や湿度、光、音など7種類の環境情報を取得できる「環境センサー」を発売
オムロン株式会社は、温度や湿度、光、音など7種類の環境情報を取得できる、Bluetooth low energy 技術によるビーコン通信(※)に対応した無線センサー「環境センサー」 を7月15日より法人向けに発売します。
(中略)
近年、IoT活用をキーワードに、ウェアラブル端末や自動車などに搭載した各種センサーでデータを収集・分析しビジネスに活かす機運が高まる中、既存のセンサーによる収集だけでは、新たなソリューションやサービスを創出するのに十分な質と量のデータを確保できていない課題がありました。そこで、オムロンは、長年培ったMEMSデバイス技術や省電力技術を基に「環境センサー」を開発。「環境センサー」はこれまでデータの取得がなされていなかった様々な場所での環境情報のセンシングを容易にし、顧客企業各社がIoTによる新たなソリューションやサービスを開発することを可能にします。
(中略)
「環境センサー」の発売に伴い、企業のIoT市場への参入支援を目的に、事業プラットフォームの構築パートナーとしてニフティ株式会社と連携します。オムロンとニフティ社は、両社が有するセンシング技術とクラウドサービスの強みを活かし、顧客企業各社によるIoT活用を通じたソリューション・サービスの創出を支援していきます。
オムロンは、今後も、MEMSデバイス技術を駆使し、ビッグデータを用いて新たなソリューションやサービスが生みだされるIoT市場を拡大させ、より最適なセンサーの創出へと繋ぐサイクルを自ら加速させてまいります。
オムロン社2016/7/17付プレスリリース(http://www.omron.co.jp/press/2016/07/c0713.html)より引用

「身近じゃなさそう…難しそう」

そう思われました…か?
そういわずに、もう少しだけお付き合いくださいね。

IoT(モノのインターネット)にとって、「センサー機能」や「クラウド」は重要かつ不可欠な要素なんです。
今回オムロン社が発売したセンサーもそのひとつ。
今後も企業のIoT市場参入のハードルを下げてくれるような製品やサービス、プラットフォームが次々と登場してくるでしょう。

参入環境が整った時に、
自社であればどうIoTに関わっていくか、
または活用できそうかを今からシミュレーションしておくことは、
決して無駄にはならないと思いますよ。

今はピンと来ないという方も、まずは妄想のレベルからでも、

「うちの製品がIoT化したら?」
「IoT活用でこんなサービスが生み出せないかな?」

な~んてことを、やわらかアタマで考えてみてはいかがでしょうか。


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