脳ミソをスローイング

「名選手が必ず名コーチになるとは限らない」
というフレーズがあります。
確かに、自分では上手にできることでも、
他人にその技術やコツを伝え、
できるようになるまで指導するというのは
実に難しいことですよね。
特に、明確な数字等では表せない、
感性で捉えなければならないような「微妙なコツ」を伝えるには
相当な表現力とコミュニケーションが必要だと感じます。

例えば、わが子は数年前から「声楽」を習っているのですが、
指導をされる先生方の表現力の豊かさには
たびたび驚かされることがあります。

先日も、先生が発声のコツについて、

「そうそう、頭がパカッと開いたら、そのまま脳みそを遠くに飛ばすような感じで!」

といいながら、
両手を頭の横にやりスローイングのような手振りをされていました。

noumiso

想像するとホラーな感じで笑ってしまいますが、
指導を受ける方は真剣そのもの。
楽譜の端に“ここで脳みそ飛ばす”のようなメモ書きをしたりするわけです。
これまで何人かの先生に指導を受けましたが、
どの先生からも、非日常的な表現がポンポン飛び出すので、
傍で聞いている素人はとても面白く感じます。
勿論、先生はウケを狙っているわけではなく、
なんとか自分の持つ技術を伝えようと
感性を総動員して、言葉と身振りで表現をされているのです。
また、実際に自分が手本としてやってみせ、
時には、(発声時の腹や背中など)
自分の体に触れさせ確認を求めることもあります。

さて、以前このブログで、
「20年後には、ロボット化・コンピュータ化で
 今人間がしている仕事(職業)のうち50%は失われる」
という話題に触れました
が、

・人から人にしか伝えられない技術
・感性が豊かさ、表現力・コミュニケーション能力の高さ

を持つ人やそれを必要とする職業は、
間違いなく生き残りそうですよね。
今、皆さんがされているお仕事には、
そのような要素はありますか?
(気付いていないだけで、あるかもしれませんね)
まずは私も、自問自答してみたいと思います。


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