便利!でも、注意!クラウドサービス

ゾッとするニュースが報じられました。

→原子力規制庁の内部文書が流出、翻訳委託先がクラウドソーシングで“再委託”か
(IT Pro 2015/3/31付けニュース記事より)

jyouhour

「原子力規制庁」とは、原発事故後、
“原子力の安全確保に関する規制の一元化をはかる、独立性の高い機関として(※)”
原子力規制委員会とともに設置された機関ということです。
また、原子力規制委員会では、原発事故時の情報発信のあり方の反省から、
議事や資料、議事録等は原則公開という方針のようですが、
今回の内部文書流出は、機密度は低いとはいえ一般公開すべきでない資料。
流出経路があったということが、そもそも大問題です。
機密度の高い情報だって流出してしまう可能性があります。

※参照:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

確かに「クラウドサービス」は便利!

例えば、クラウドストレージサービスでは
ドラッグ&ドロップで簡単にデータを保存したり、
簡単な設定で他者とデータを共有することができます。

また、クラウドソーシングサービスは、
ネット上で仕事をアウトソーシング(外注)したい側と、
仕事を請ける側の条件が合えば、
これまで取引がない相手先とも外注取引ができるサービスです。
例えば、会社の販促チラシやロゴマークのデザイン、
ホームページの作成等の仕事を比較的安価に受けてくれる外注先を
豊富な外注先から探すことができます。とにかく非常に便利です。

勿論、そのサービスを利用するにあたっては、
双方とも定められた利用登録(本人確認等)をしてはいますから、
一定の信用は確保できます。
しかし、厳密な与信を得た上での取引とはいいがたい面もあると思います。
クラウドソーシングサービス利用者の中には、
残念ながらトラブルに巻き込まれるケースも少なくないようです。

●発注したが、ちゃんと仕事をしてくれなかった。
●受注して仕事を納品したが、難癖をつけられ支払い額しぶられた。
●受注したものの、発注者から最初の条件にない作業まで押し付けられた。 など、

あまり悪質な登録者は、サービス内で公表される”評価”が下がるので、
その評価を目安に取引しないように注意することはできますが、
まだ、評価の付いていない登録者については、信用度が推し量れません。

今回の流出事件では、
資料の翻訳委託先が「無断で再委託を行った」ということ自体がまずアウトですが、
その再委託先の選定にクラウドソーシングサービスを使ったというのは、
かなり危険な行為だと思います。

クラウドサービスを利用する際には、
そのサービスの仕組みや取り扱う案件、利用するにあたって外部に出す情報の種類など、
十分注意したうえで利用しないと、取り返しのつかないことになります。
日頃活用している方は勿論、
これから利用してみようかと検討されている方も、
どうぞお気をつけてご活用くださいね!


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