時々その前を通り過ぎるけれど、
店内には入ったことのない飲食店。
そんな中に、どうみても流行ってなさそうなイメージなのに、
何年も営業を続けている様子のお店ってありませんか?
開業後2年以内に約半数のお店が廃業するといわれる、
厳しい飲食店業界の中、なぜか潰れない店。
参照記事→閉店しやすい飲食店の特徴が明らかに!?
先日、そのように思っていた喫茶店の一つに、
足を踏み入れてみました。
大通りから一筋外れた、
地元の人が抜け道として使う細道沿いにある
小さな喫茶店です。
民家の一階部分を改築したようで、
小さな看板と幟がなければ普通の家と思って
通り過ぎてしまいそうな店構えです。
昼下がりの時間帯。
入店してみると、入れ違いで3人のお客さんが帰るところで、
客は私一人になってしまいました。
お店のスタッフは、60代ぐらいのおばさまが一人。
店内は、プレスリーのレコードジャケットをはじめ、
古き良き時代を感じさせるディスプレイが目立ちます。
中高年向けの店づくりなのでしょう。
テーブルや調度品も落ち着いた趣味のよいものでした。
店内で二人きりということもあり、
スタッフのおばさまとお話しながらの
コーヒータイムとなりました。
1杯300円のコーヒー(味は普通)には、
柿ピーと黒糖菓子がついてきて、
まるで親戚のうちにでも行った時のような感じです。
(儲けは考えず、定年後の趣味でやっているのかなぁ?)
そんなことを思いつつ、
おばさまと会話を続けていたら、
次のようなことがわかりました。
●開店から6年続いている。
●店舗の賃料が不要なので助かっている。
●地元の町内会や子供会、スポーツ団体の会合の場として利用されている。
(朝はグランドゴルフ帰りのご老人たち、夜はママさんバレーの打ち上げなど)
●親類の祝い事や友達同士の誕生会など、貸し切りパーティー利用もある。
●おかげで店の宣伝は特にしたことがない。ホームページもない。
●奥に和室もあり、貸し切り利用できるので、
赤ちゃんや小さなお子様連れの若いママさんたちのママ会にも使われている。
つまり「超地元密着型」で融通の利くお店だったわけです。
予約すれば、お酒も出せるとのこと。
地方ならではともいえますが、
喫茶店というよりも「地元の仕出し屋」みたいな営業スタイル。
これがこのお店が営業を続けていられる理由だったようです。
都会では、数多くのお洒落なカフェがしのぎを削っているというのに…
飲食店の景況は、ぱっと見だけでは、わからないものですね~。