毎年NHKの大河ドラマを見続けてきた私ですが、
今年の「花燃ゆ」ばかりはどうにも退屈で、
夏あたりからご無沙汰しています。
もう、総集編でもみとけばよいか、といった感じ。
なぜかというと、主人公を見ていて、
心に沸き立つものがなかったからだと思います。
(井上真央ちゃんは結構好きなんですけどね...)
主人公が女性だから?いえ、そんなことはありません。
むしろ、過去に放映された女性が主人公の大河、
例えば「八重の桜」とか「篤姫」なんかは、
毎回かなり楽しみにしていました。
「ドラマで多少脚色はあるにせよ、
あんな激動の時代に、
こんな女性が実在したんだ!」
そんなことを想うと、
緩い現在でちんまり生きている自分に喝が入り、
そのクールな姿に感服したり、
痛快な思いを抱いたりしたものです。
また、器は違うにせよ、
主人公に感情移入できる場面も多々あり。
そんなわけで、今の大河はご無沙汰。
しかし、その代わりといっては何ですが、
NHKの連ドラ「あさが来た」は、
ほぼ欠かさず見ています。
明治を代表する女性実業家の広岡浅子がモデルの主人公「あさ」。
なんとも痛快です。
明治維新前に両替商の商家に嫁に入って、
そこの主人たちが存命中であるにも関わらず、
維新後の混乱期に自ら指揮をとって炭鉱事業に参入するとか、
現代であっても、そうそうできることではありません。
その上、史実によればこの後、
銀行やら保険会社、女子大などの礎を築いてゆくわけで...
まさに「女傑」…いや男女を超えて
「傑物」とはこういう人をいうんでしょうね。
また、その「あさ」の周囲の夫や義父の、
世間体や偏見にとらわれることなく、
「人の才を冷静に見極めて任す」柔軟さにも、
商人としての才覚を感ぜずにはいられません。
(現代の政治家やら企業の経営陣もみならってほしい)
武家出身の新島八重も、商家出身の広岡浅子も、
ほぼ同時代(1840年代~)に生きていた人なので、
二人はどこかで接点あったのかな?なんてことを想像したり…。
(八重のほうが年上だが長命で昭和初期まで存命)
こうした「女傑」として名を残した人物に限らず、
維新前後を生きた女性たちは、
かなり逞しく強かに生きていたであろうと思います。
「女性活用」とか「一億総活躍」という言葉が、
なんだか虚しく感じられるのは、私だけでしょうか?
男女に関わらず活躍したい人ばかりでもないし、
それなりの意欲や能力のある方々が、
理に適わぬ旧習や偏見に邪魔されることなく、
普通に「適材適所」されれば、それでいいと思うんですけどね。