今朝、新聞の一面で最初に目に留まったのが
トヨタ自動車が、シリコンバレーに人工知能の新会社を設立すると発表した-という記事。
驚いたのは‟自動車以外の新産業を創り出すことを目指す”という言葉。
だって、世界に冠たる自動車メーカーのTOYOTAが、ですよ!?
従来どおり自動車を作っているだけでは、
これから先マズいだろう...という危機感をもって
10年先、20年先を見据えて事業の柱を新たに創造しようとしているわけです。
確かにトヨタは元々織機メーカーから始まって自動車へと大きく軸足を変えた歴史があります。
もしその時、従来どおり織機だけ作り続ける道を選択していたら...今のトヨタはないでしょう。
また同時に、これから私たちが直面する時代というのは
トヨタが織機から自動車へと軸足をシフトしたころと同じような
大転換期であるということを示しているようでもあります。
「いつまでも既存の市場へ既存の商品を投入していても、もう限界があるんだよ。
「そもそも、その市場は10年後には存在しないかもしれないよ。」
そんなことを、言われているような気がしませんか?
私は、少し前に巷で話題になったマイケル・A・オズボーン博士の論文「未来の雇用」を想起しました。
“今後10~20年程度で(米国の)総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高い”という、アレです。
今の職業のうち半数以上が、コンピュータに取って代られて消えてしまうだろうという予測。
→ オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」702業種を徹底調査してわかった(現代ビジネス 記事参照)
人材市場も「コンピュータ」「人口知能」といった新たな競合(ライバル)の登場・進化により、今後、競争の厳しい市場となっていくわけですよね。
ところで、本日は名古屋にて、
ビジネス研修ゲーム「ビズストーム®」の体験セミナーでした。
中部地区では第2回目の開催。
今回は私が講師を務めさせていただきました。
このビズストームは、ビジネスゲームをプレイすることで、
経営の疑似体験をするという参加体験型のセミナーですが、
ゲーム終了後に、振り返りをしたり
経営理論を取り上げ簡単な講義も行っています。
例えば、成長戦略で有名な「アンゾフの成長マトリクス」なんかを取り上げることもあります。
製品-市場 成長マトリクス
事業を拡大するうえで、今後の成長戦略の方向性を分析・評価するためのツール。企業戦略の分野で使われるほか、マーケティング領域においてもよく利用される。
製品と市場を軸にした2次元の表を作り、成長戦略を「市場浸透」「製品開発」「市場開拓」「多角化」の4つに分類する。
ITmediaエンタープライズ 情報マネジメント用語辞典 より引用抜粋
先にあげたトヨタ自動車の動きは、まさに「新規市場に」「新製品を投じていこう」という動きで、成長マトリクスでいえば「多角化」という難易度の高い成長戦略の方向性ですね。
実は今朝、このことをセミナーの中でお話しようかな?なんて思っていたんですが、参加者の皆さんの熱気にあてられて、すっかり忘れておりました!
長期的な視野をもち成長戦略を検討することは勿論大いに重要ですが、
目の前の小さなことを確実に進めていくことも怠ってはなりませんね(汗)