思い込みは年のせい?

「年を取ると思い込みが激しくなる」

これ、私よりも10年上の前職場の社長から
よく聞いていた言葉です。

なんでも一概に年のせいにするのはどうなの?
若くても思い込みの激しい人はいるし…
個人差じゃないの?…

当時は、そんな風に思って聞いていたものですが、
どうも最近の自分を振り返ってみると、
まさにその社長のおっしゃる通りだったと
思い知る場面がちらほら出てきました。

桜並木と老人

実は今日も、
とある講習会に参加して
やらかしてしまいまして…。

講習開始10分前に会場に滑り込み、
100席以上の7割は埋まっていました。
空いた席に自由に着席してよいといわれ、
席を物色したところ、
比較的前のほうに空席あり。

そこに腰を落ち着けて、
机の上に準備されていた
講習の資料や配布物などを
ひととおりチェックしました。

机上には資料の持ち帰り用に、
しっかりした素材のペーパーバックも添えられています。
そのうえ、厚みのあるB5ノートまで準備されていて、
いたれり尽くせり。
またこれが無印系のシンプルデザインで
なかなか趣味も良かったりしまして、
ちょっと得した気分に。

ところが…です。

さあ、そろそろ始まるぞ、というときに
突然、知らない女性から
こう声を掛けられました。

「あの、そこは私が取っていた席なんですけれど…
 ノートが置いてありませんでしたか?」

そう。真っ新な素敵なノートは、
参加者プレゼントではなく、
一旦席を外していた
その女性の私物だったのです。

まさに完全なる私の思い込み!!
平謝りしながら、
もう恥ずかしいやら、情けないやら…。
こうして人は徐々に老いてゆくのか…。

そんなことを考えながら、
参加したこの講習会。

ゲスト講演者のお一人は
ある老人福祉施設の理事長でした。
失礼ながら、理事長ご自身も
どうみてもご老人でした。

もともとエンジニア出身だった理事長。
ご自身のご両親の介護経験をきっかけに、
なんと定年後60を超えてから初めて
老人福祉の世界に飛び込まれたのだとか。

以来12年以上、
試行錯誤を重ねながら
施設経営をされてきて、
その独自の取り組みが昨年
厚生労働省「キャリア支援企業表彰」受賞
という形で認められたとのこと。

業界の常識にとらわれず、
顧客や従業員のことを
第一に考えることから生まれた
ユニークで柔軟な発想の数々。

もちろん、
思い込みや見込み違いによる失敗も
沢山あったようですが、
より良いサービス提供、
より質の高い組織づくりに
チャレンジし続けている
理事長のパワーに圧倒されました。

まだまだ「年とったなぁ…」
なんて落ち込んでなんかいられない!
失敗を恐れずに果敢にチャレンジあるのみ!
そう思い直した次第です。はい。


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